中山道の景勝地として、また木曽路のランドマークとして親しまれてきた奇勝。
寝覚の床は昔も今も、旅人の心に刻まれます。
木曽八景の一つ、寝覚の床をご案内します。
※寝覚の床周辺は場所によって流れが急に変わったり、流れの早いところもあり、昔から水難事故の多い場所です。
大変危険ですので遊泳はご遠慮ください。
●寝覚の床とは
上松町周辺は、花崗岩地帯。その地形を木曽川の流れが削り、姿を現したのが寝覚の床です。
花崗岩特有の割れ方が、大きな箱を並べたような不思議な造形をもたらしました。
また明治以降は水力発電や用水の引水で木曽川の水面が低下し、岩の巨大さがより引き立っています。
1923年に国の名勝に指定され県立公園として管理されてきましたが、2020年に中央アルプス国定公園へ昇格しました。
この地には、古くから浦島伝説が残されていることも特徴です。
公園付近は春に桜が咲き、秋には対岸の山々が紅葉で色付きます。
臨川寺境内から眺める、寝覚の床一帯の風景
木曽川は右から左に向かって流れています。眼下の鉄道は、JR東海の中央西線。右手奥が赤沢自然休養林へ至る谷、左手の下には美術公園が設置されています。梅雨時や夏の夕立の後、条件が良い時には、眼下の渓谷に虹がかかることがあります。
●寝覚の床 散策コース (画像をクリックすると拡大します)
1.滞在時間が短い場合(15分前後)
…国道19号線沿い、木曽人ねざめ亭や臨川寺、蕎麦処寿伊舎からの眺望がおススメです。
2.滞在時間がある場合(1時間以上)
…3本の遊歩道で、寝覚の床の近くまで降りることができます。
■臨川寺(拝観料200円)、あるいは■木曽人ねざめ亭から坂道を下り、寝覚の床へ。勾配があり、健脚向け。
■町営駐車場から、森林内をのんびり歩くコースで寝覚の床へ。距離は長いものの、坂道は少なく森林浴を楽しめます。
●寝覚の床へのアクセス
寝覚の床は木曽川沿いの一帯で、南北約1kmのエリアです。主な地籍は上松町大字小川。県立公園特別地域の指定を受けおり、国定公園です。
(1) カーナビゲーションでは、観光地の目的地検索で出てきます。
国道19号線沿いと、少し南側の登坂車線下に、無料の町営駐車場(80台)があります。登坂車線を上ってすぐの木曽人ねざめ亭横にも無料駐車場(50台)があります。
【時間の目安】 中央道伊那インター・中津川インターから、それぞれ60分
(2) 公共交通機関をご利用の場合、最寄駅はJR東海 上松駅となります。また1つ北の木曽福島駅からも、路線バスが運行されています。どちらの駅からも、「倉本線」バスにご乗車ください。
【時間の目安】 木曽福島駅から片道でバス15分、上松駅から片道でバス5分
(3) 最寄駅のJR東海 上松駅からは、徒歩で訪ねることもできます。上松駅から南へ、旧中山道を歩いて30分。上松駅前のタクシーもご利用いただけます。
PDF版マップ(印刷可) ■国土地理院版 ■イラストマップ ■イラストマップ英語版
●寝覚の床の浦島太郎伝説
浦島太郎の伝説は、沖縄県から福島県まで全国各地に残っています。 その内容も、出自に関わるものから墓地まで、それはもう様々。
寝覚の床に残されている浦島伝説は、太郎が竜宮城から帰り、玉手箱を開くまでが描かれています。
…竜宮城の夢のような日々から現実に帰った太郎は、竜宮城にいたひとときが300年であったこと、周りに自分のことを覚えているものがいないことに驚き、やがて諸国漫遊の旅路に出ます。
一説には、竜宮城から持ち帰った秘宝の中の飛行の文書で寝覚の床までやってきたとか。
寝覚の床の風景を気に入った太郎は、魚釣りをしたり、竜宮城の巻物を参考に仙薬を作って地元の住民に分け与えたりしながら暮らしていました。
ふとある時、竜宮城から玉手箱を持ち帰ったことを思い出します。
決して開いてはならないと忠告されていましたが、太郎は玉手箱を開いてしまいました。すると中から紫色の煙が立ち上り、太郎はたちまち300歳の翁の姿に…。
太郎は嘆き悲しみ、やがて寝覚の地から姿を消してしまいました。そして寝覚の床には人知れず弁財天の像が残されており、これを祀って建立されたのが、臨川寺といわれています。
…ちなみに、上松町の公式キャラクター「太郎ちゃん」も、この浦島伝説を参考にしています。
そして、冬は御覧のような眺望が楽しめます。
年賀状の風景にもおススメ。
上の画像をクリックすると、PDFマップにリンクします。
※ 各店舗の休業日にご注意ください。
①五平餅の食堂中村
0264-52-2183 |
木曽路といえば五平餅。香ばしく大きな五平餅は地元でも親しまれ、祭礼や祝い事の宴席を彩ることも多くあります。自慢のタレは和菓子のような上品なアイスクリームにも。五平餅は、お持ち帰りや通信販売も可能です。 |
② セブイレブン木曽上松寝覚店
0264-52-5711 |
地元・観光問わず多くのご利用をいただいています。おにぎり、サンドイッチから飲物、日用品も。暖かいコーヒーや季節限定の商品も提供。セブン銀行をはじめ提携金融機関のATMや、カラーコピー機もあります。 |
③寿命そば越前屋
0264-52-2081 |
寛永元年創業、390年を数える蕎麦店の老舗。数多くの画人、文人が訪れ、その味を認めていきました。寿命そばは中山道の旅人たちが愛した味。長生きができるとして、年末年始の年越し蕎麦にも人気です。要予約の「蕎麦寿司」もご相談ください。 |
④臨川寺
0264-52-2072 |
寝覚の床の浦島伝説を残す寺院には、多くの旅人が訪れました。展望台からの感嘆する眺望は版画や書籍にも残されています。旧中山道には、このお寺への参道であった山門の基礎石が残っています。※ 探訪には拝観料がかかります。 |
⑤高杉庵 | 寝覚の床の入口で、うどんを中心にした軽食を提供。お食事メニューのほか、ソフトクリームなども備えています。(休業日にご注意ください) |
⑥ジビエ工房木曽
0264-52-3522 |
木曽といえば新鮮や山の幸。猟師さんが仕留めた獲物をすぐさま解体、新鮮なうちに冷凍保存したジビエ肉を販売しています。シカ、イノシシなどの定番のほか、クマ肉なども人気。都市部の料理店から多くのご依頼を頂戴します。御嶽海関の元気の素!! |
⑦木曽人ねざめ亭
0264-24-0116 |
寝覚の床を見下ろすテラスで、お食事の提供やお土産の販売をしています。軽食やティータイムにもご利用ください。また情報発信にも力を入れ、地元のフリーペーパー「木曽人」を出版。木曽地域の観光情報が「あるよ(田中要次)」。 |
⑧蕎麦処寿伊舎
0264-52-2295 |
味わいのある店内を楽しむだけでなく、爽快なテラスから寝覚の床を眺めつつ、いただくお蕎麦は絶品。名物ご主人がいれば、木曽節を披露してくれるかも? 季節限定メニューもある、お蕎麦専門店です。 |
⑨ねざめホテル
0264-52-2245 |
アクセスの良い国道19号線、寝覚の床を見下ろす高台の上にあり、木曽路の観光に絶好のロケーションです。トロン温泉では日帰り入浴も可能。ツイン洋室を完備した新館もあり、ビジネスでのご逗留もおすすめです。 |
食べ歩き・探訪PV特集
寝覚の床周辺の見どころ、魅力ある店舗の情報はPVもございます。(制作:一般社団法人木曽人・寝覚の床発展会)